◆献立を作ろう◆
学年:中学校1年生
教科:家庭
領域:私たちと食物
作成:桜村立竹園東中学校 増田和代
コンピュータの利用目的:栄養バランスのグラフ化による献立の作成及び検討
コースの特徴:栄養のアンバランスが自分に与える影響を認識し、栄養を考えた食事の組み合わせを工夫する。
個の時代と言われ、家庭が持つ従来の機能を失いつつある今日、食生活の重要性を充分認識させる為、何らかの形で系統立てた食教育が必要であると痛感していた。また、将来家庭においてその日常生活を通じ食に関連する考え方や習慣に関して家庭に与える影響を考えると放置できないことと思えた。しかし食生活を自ら営む経験のない中学生にとって「栄養」は興味・関心も低く、10種の食品群別に分類することもなかなかうまくいかない。ましてや中学1年生に食品の重量を覚えさせることは、かなり困難で、献立をたてさせても食品の概量がわからない為授業内容の達成に問題点を残していた。そこで栄養所要量の計算と食品群別重量の計算を入力することにより、今まで数字上の理解が先行していた献立作成の授業で、生徒の混乱も軽減されると考え、楽しみながら献立を検討し、自然な形で食教育につながることをねらいとして作成を始めた。
コンピュータはデータの大量処理能力、その正確性、高速性といった基本的機能の他に、これが授業で使われる場合、最も有効な機能として、その対話性、個別性、意外性が考えられる。そして、遊び的なゲームの部分を適宜加えることで生徒の家庭かへの強い動機づけとなり得ると思われる。更にこれが刺激となって創造力の向上、総合力の育成がなされる事、これらが家庭科におけるCAIの役割だと考える。「食物」において、献立の検討を学習する際、栄養のバランスを直観的に理解させることも大切だが栄養計算の基礎が理解できたら、あとはコンピュータがフォローする時代になったのであり、こうしたデータ処理を含むコンピュータの利用により、学習効果とその実践への橋渡しが期待できると考えられる。
最後に、CAIの導入が情報化社会の波に乗った形での導入も一つだが、先ずコンピュータの意義を認識した上での導入が望ましいと考える。これまでの視聴覚教具(OHP・VTR等)にとって変わるのではなく、それらの一つとして使われることで、家庭科では他教科と違った意味での効果を生み出すことを期待したい。