◆力のはたらき◆
学年:中学校1年生
教科:理科第1分野
コースのタイプ:新しい概念の学習、実験の指導・補助
評価の方法:予想回答による評価、目標設定問題の正答数による評価
「力を作用線上に移動させても働きは変わらない」という力の基礎的性質を様々な場面で適用できるようになる。
はじめに、「高い所からロープを長く持って荷物をつりさげる場合と短く持ってつりさげる場合とでは、ばねはかりが示す値を比べるとどうなるか(課題1)」を予想し理由を記述して、「力の作用線上の移動」にかかわる自分なりの考えを出す(予想)。予想の後、
課題1の現象を小規模にした実験が手元でできる糸やおもり、ばね、ばねはかりなどを使って、はじめの予想を検証する実験を自由に行う(自由実験)。その結果から、予想を変更して、理由も記述する(予想の変更)。また、自由実験が考えられない者は、コンピュータから実験の1つの方法を支援してもらう。この後、実際に荷物をつり下げて課題の結果を確認するため、教室外に設けた「課題1の確認実験コーナー」に行き、その場に来た者同士で協力して測定し、席に戻って「力のはたらき」について考察する。
次に、「太いばねを同じ長さだけ水平にのばすとき、直接引く場合とひもをつけて引く場合とでは、ばねはかりが示す値を比べるとどうなるか(課題2)」を、課題1と同じように予想し理由を記述する(予想)。自由実験では、ばねの固定の仕方を知らされた後は、実験を自由に行い予想の変更を行う。ここでも実験が進まない者は、コンピュータから1つの実験方法を支援してもらう。教室内に設けた「課題2の確認実験コーナー」に行き、太いばねを伸ばして測定を行い、「力のはたらき」を考察する。
さらに、課題1、2の予想、自由実験、確認実験等を通じて、自分が獲得してきた新しい考えを使って、実験結果を予想する問題6つを行い、実験をして確かめながら予想が合
っていくという体験をして、自信をつけたうえでプリントにまとめを記入する。
なお、「力を作用線上に移動させる」という表現は生徒にとってわかりにくいので、は
じめのうちは「力のはたらき」とし、プリントにまとめを記入させたうえで、「力を作用線上に移動させる」ことに触れることにしている。
単元 「身の回りの物理現象」(小単元「力」)において、次の内容の学習を終えている者を対象にしたものである。
1) | 力が働いたときに生じる物体の変化(力が働いた証拠) |
2) | 重力の存在、重さと質量の違い。 |
3) | ばねののびが加えた力の大きさに比例すること。 |
4) | 力の大きさは重力を基準として定められること、力を矢印で表せること。 |
(1) CAI授業開始前には、次のようなことを生徒に知らせるほうがよい。
ア | 生徒用の実験器具の置場 |
イ | 課題1、2の確認実験コーナーの場所 |
ウ | 大型ばねはかりの目盛りの読み方 |
エ | 課題1で、荷物をつり下げる際、ロープでやけどをしないよう気をつけること。 |
(2)授業中は、机間巡視をしながら生徒の活動やプリント等を観察したり、課題の確認実験コーナーでの実験や協力の様子に注意する。
生徒の主体的な行動を引き出すために、原則として、生徒が求めるまで助言等は行わない。実験などで部分的な生徒同士の協力は認めるが、そろって実験を進めている者には、自分のペースでやるよう注意する。