ECONewsは、1988年より、筑波大学学術情報処理センターの中山和彦研究室で発行していたニュースレターです。現在は、オフィスを21世紀教育研究所に移して、年6回の発行を続けています。
- 学校のコンピュータ教育に関する情報
- 教科学習や総合的な学習におけるコンピュータ利用法
- コンピュータを利用した授業実践の紹介
- 各学校で開発されたCAIコースウェアの相互利用情報
- 研修会や公開授業の情報
・・・などをお伝えしています。
創・刊・の・こ・と・ば
21世紀教育研究所 中山 和彦
長い間の念願であった、コンピュータの教育利用を実践している人達の間の情報交換を目的とした
ニューズレターをやっと発刊することができました。このニューズレターのタイトルをどのようにしたらよいか、
私の周りにいて、発刊の準備をしてくれた人々といろいろ議論をしました。
まず思いついたのが「CAIニューズレター」という名前です。
創刊号を発送する予定の人達の多くは、CAIの授業実践をしている先生方です。
また、創刊号の内容は、CAIについての記事がほとんどです。そのようなことから言うと、
「CAIニューズレター」という名前が適当であるかも知れません。
あえて「CAIニューズレター」という名称を避けたのは、CAIは教育におけるコンピュータ利用の一方法であって、
CAIだけが学校におけるコンピュータ利用ではないからです。一斉授業下における学習の個別化を実現するための、
一番有効なコンピュータ利用は良いコースウェアを用いたCAIであるのは疑問の余地のないことです。
しかし、教育におけるコンピュータ利用の方法にはいろいろな形態が考えられますし、現実もその通りです。
これからの学校は、ニューメディアのチャンピオンであるコンピュータをどのように教育の道具として用いていくか、
また、児童・生徒が文字を読んだり書いたりするのと同様に、
コンピュータを使いこなせるようになるためのコンピュータ・リテラシー教育も大切です。
このニューズレターは、教育におけるいろいろな形でのコンピュータ利用、
コンピュータの教育を志す教育関係者間の情報交換をめざして刊行しました。
ECONewsという題名は、教育におけるコンピュータ利用全体を示す、英語のEducational COmputingからとったものです。
ECOという言葉自体は辞書を引いてみると、英語では二つの意味に用いられているようです。
一つはECONOMYのように家政や経済を表す言葉として、他の一つはECOLOGYやECO-SYSTEMのように
『生活様式などを変化・発展させる素因としての環境(研究社「新英和大辞典」)』を表す言葉としてです。
21世紀の高度情報化社会をめざした教育を今すぐに始めなければなりません。
これからは、百年近く変化をしなかった教室で、講義と板書を中心にした一斉授業を続けて行くことは許されません。
教室に新しいメディアを導入して新しい環境を創造し、教育の在り方、内容を変化・発展させていかなければなりません。
このニューズレターがそのために何らかの貢献をすることを願っています。