1. 基本的な考え方


 今日の理科学習では、直接経験を積み重ねることによって、自然に対する認識を深めていくことが重要視されている。また、身の周りの事象を日常生活と関連づけて考察することも要求されている。
 しかし、生徒たちの現状を見ると、自然の事象を科学的な視点から系統的に捉えようとせず、断片的な知識に終わらせてしまうことが多いように見受けられる。従って知的喜びや感動を味わうことも少なく、自然に対して進んではたらきかけようともしない傾向にあるようである。つまり、自ら学ぶ態度が培われていないのである。
 これらの現状は、生徒が自然の事象に直接働きかけたり、物事をじっくりと考えたりする機会が少なくなり、独自性、独創性を認められる場が乏しくなってきていることに起因するものと考える。

 そこで、自ら学ぶ態度が培われた生徒、すなわち、科学的な視点で自然の事物・現象を捉え、問題解決の意欲を持ち続ける生徒の育成を目指して、次の2つの指導を試みようと考えた。
                             

目指す生徒像

科学的な視点で自然の事物・現象を捉え、問題解決の意欲を持ち続ける生徒
  1. 科学的な法則に着目できる課題を与え、個々の思考様式に応じた観察・実験を通して自ら確かめる場を豊富に与えるような指導

  2. 一人一人のつまずきを正しく捉え、つまずきに応じたメッセージを与えることにより、基礎的・基本的事項を確実に身につけさせていくような個に応じた指導

 そこで、私たちは、以上のような考えに立ったCAI授業の実践を目指し、コンピュータソフトの開発に取り組んできた。