3. 指導にあたって
(1)教材観
三平方の定理の発見。実用は古く、その証明方法は100通り以上にのぼる。その数は、この定理の持つ美しさ、神秘性を物語っているであろう。
生徒達は、小学校2年生の算数の授業で「長方形・正方形」という図形を教わってきている。それ以来ずっと縦・横・周の長さ、及びその面積には目を向けてきたが、この定理を修得することによって、初めてその対角線の長さが求められるようになるのである。
さらに、中学1・2年で、実験・実測などを用いる帰納的・発見的な方法と、論証による演えき的な方法を適宜取り入れながら、図形の性質を調べてきた。その既習の多くの知識と、この三平方の定理を活用することにより、次章「円」を含め、平面図形、空間図形のより複雑な計量をすることができるのである。また、生徒達が高校・大学・実社会へ進んでも、この定理の利用される分野が極めて多く、平方根の計算と共に、しっかり身につけさせたい。
幾何的な面と代数的な面の両者をあわせ持っているこの三平方の定理は、できるだけ興味深く指導したい。「第1次 三平方の定理」では、CAIを利用して一人ひとりの幾何的な直観力、洞察力を発揮させ、定理の発見と証明理解ができるようにコースを工夫し、「第2次 三平方の定理の応用」では、平面図形、空間図形への代数的な応用面に指導の重点を置きたい。
(2)生徒観
男子は明るく授業でも活発で、学力的に高い生徒がリーダー性を持っている。発言もよくするのであるが、やや思考が浅く、粘り強く考えたり探究していく気がまえに欠ける面がある。
女子も明るく素直であり、自主的な発言こそないが、指名するとハキハキと答えられる生徒が多い。
全体的に、授業のリズムが少し早いほうが集中して授業に参加できる。
(3)指導過程
教材・機器の活用
学習内容
学習活動
指導上の留意点
5分
(導入)
○コンピュータでの学習の進め方と操作上の注意。
○コンピュータでの学習の進め方等の注意を聞く。
○コンピュータは簡単に壊れるものではないので、無用な恐怖感を与えない。
コ
ン
ピ
ュ
I
タ
50分
(展開)
○別紙
資料1,2
コースの概要参照
○常に机間巡視やホストコンピュータのディスプレイで生徒の進行状態をチェックし個別指導する。
(4)評価
●コンピュータを利用して、興味深く一人ひとりが自分のペースで
定理を発見できたか。
定理の幾何的証明が理解できたか。
定理を、直角三角形の辺の長さを用いて表わすことができたか。
●コンピュータを利用して、楽しく学習できたか。