8. おわりに


  生徒が自らの力で和歌の鑑賞を進め、鑑賞文にまとめるというねらいは達成できたと思う。CAIを使うことによって、一斉授業では和歌を読めるようにさえならない生徒が、コンピュータとやり取りしながら鑑賞をすすめられることがわかったのは大きな成果だと思う。
 しかし、和歌の鑑賞は「しんどかった」という思いを何人かの生徒には与えてしまったようである。読み・書き関連を意識するあまり、どの子にも同じ比重で書くことを求めてしまったが、無理があったと思う。生徒の力に応じて、基礎コース、普通コース、発展コースのように分岐できるコースを作り、書くことが苦手な生徒でも意欲を持って取り組める工夫が必要だろう。生徒達は、コンピュータの授業を心待ちにしているだけに、「キーボードをもっと使いたかった」という要求を満足させつつ進められる鑑賞コースを開発して行きたいと思う。