2. コースの到達目標

◆本コースの到達目標を次のように考えた。◆

(1)
和歌を正確に読むことができる

     和歌も歴史的かな遣いで書かれているので、それが正確に読めることは鑑賞の第一歩である。教科書の和歌には、石(いは)のように、読み方の難しい漢字に歴史的かな遣いでふりがながついている。しかしこれはかな遣いの練習コースではないので、漢字のふりがなは初めから石(いわ)のようにつけ、音読の抵抗をなくすようにした。また全体も、五、七、五、七、七になるように画面上に分けて書いた。大切な言葉が正しく読めているかどうかは、読み方を仮名キーで入れさせて確かめることにした。

(2)
和歌の大意をつかみ口語訳することができる

     これは注釈をたよりに歌のおおまかな意味がつかまえられればよい。何が書いてあるのかわからなくては歌を味わうこともできない。文法的に深入りせずにまず歌の意味をつかませたい。口語訳はワークシートに書かせ教師が判断することにした。

(3)
和歌に描かれた情景を想像し、文章に書くことができる

     作者の目には今どういう情景が目に映っているのか、想像させ文章に書かせたい。しかしそれが単なる空想にならぬよう、「石ばしる垂水」「うへ」「さわらび」「萌え出づる」の言葉に着目させる。文章に書く過程で、その場の情景を豊かにイメージさせたいと思う。

(4)
感動の焦点をあらわす言葉を見つけ、作者の喜びを見つけることができる

     「春になりにけるかも」の「かも」に着目させ、春の訪れを見つけた作者の喜びと感慨を文章に書くことができる。

(5)
和歌に対する自分の感想、印象を文章にすることができる

     歌を読んで、感じたこと、思ったこと、自分の経験で思い出したこと、などを書く。

(6)
読み取りをまとめ鑑賞文を書くことができる

     ワークシートに書き入れてきた読み取りを一つの文章にまとめて、鑑賞文を書く。そのとき、接続詞に注意して文章をつなぐ。