5. おわりに


 除法の計算技能を高めることを目的として、コースを作成してきたが、児童のつまずきを正しくとらえ、適切な課題を与えることができたかどうか、また、それに対する治療の仕方が、有効であったかどうかを判断するためには、授業を待たなければならない。しかし、児童のつまずきは、多種多様であり、これらを全て治療できるようにすることは難しいと感じさせられた。特に、算数グループ7人のメンバーの中で、3人は今年度本校に異動してきたばかりで、CAIのコース作成の経験はほとんどなく、研修が順調に進んだというわけではなかった。まず、「CAIとは・・・」「コース作成のためのコンピュータ操作」、「よいコースとはどんなコースか」などの研修から始まり、コース作成が軌道に乗るまでにはかなりの時間がかかった。しかし、グループの全員が、苦労を共にしながら、コースができあがる喜びを味わうことができた。また、コースを作成する中で、教材の見方や、よりよい資料の使い方、指導法の工夫などについて話し合ったことが、一斉授業にも生かせることを改めて感じることができた。
 そのようなグループ研修の状況でコースもまだ未熟な点も多いのではないかと感じている。

 今後は、本コースの授業分析を基に、

    (1)学習課題の最適化

    (2)操作的活動の効果的導入

    (3)効果的な治療の方法

を主として、さらに計算技能が高められるコースとなるよう改善していくことが課題となろう。
 児童一人一人が、「やってよかった」「やってわかった」と満足できる気持ちになってくれることを願いとして、研修に励んでいきたい。