◆配色◆

学年:中学校1年生(全学年共通)
教科:美術


1.  はじめに

本コースは、美術へのコンピュータ導入の可能性を探るためのデモンストレーショ ン用のショートコースです。コースは、数種類のパターン模様を選んで配色を行う作業から成っており、単純な幾何学図形の繰り返し模様への配色の多様性を会得させることをねらいとします。学習者は配色されたパターンの輝きに素朴な感動を覚えるように設定されており、そこに創作の喜びを体得するチャンスが実現されます。
 本コースをもとに、数々の応用コースに発展させることが可能です。


2. コースの特徴と基本方針

このコースでは、絵画の中での配色を中心に考えていきます.コンピュータ導入の 利点はいくつかありますが、主に美術の絵画では次のようなことがあげられます。

  1. 絵の具の飛び散るのを心配せずに、絵が描けます。(→自由な創作意欲に水をささない。)
  2. 画用紙に絵の具で描いた時のように絵の具が乾くのを待つ必要がなく、色を次々にぬり仕上げることができます。(試行錯誤の回数の増加)
  3. 画用紙に絵の具で描いた時には、何回もぬり直しをすると紙に穴があいたりしますが、コンピュータでは何回でもぬり直しができます。(→経済的、時間の節約)

このように、コンピュータ導入により、今までのように失敗を恐れながら不必要に 慎重になって絵を描くというかわりに、気軽に試行錯誤しながら絵を完成することが できるわけです。頭の中でイメージを描いてかくという訓練ができなくなるというマイナス面はありますが、何回も試せるということはよりよい作品を作るために大いに役立ち、誰にでも創造の楽しみを体得させることが可能になります。  このコースは、数種類のパターン模様を選んでは配色を繰り返す作業を主体としており、作業自体は単純ですが色彩の基礎を学ぶのに役立つことが期待されます。


3. コースの流れ

4. おわりに

この配色のコースは、美術へのコンピュータ導入の可能性を探るためのデモンスト レーション用のショートコースで、色のしくみや法則をさらに理解するために下記の ような学習コースに発展させることが可能です。

  1. 色の混合、3原色、補色
  2. 色の知覚(色の対比、色の順応、色の恒常、色の見えやすさ、色の進出と後退、色の膨張と収縮、目立つ色)
  3. 色の感覚訓練(明度、彩度、色相、純度)

ここでは、絵画の中での配色のみを取り上げていますが、もちろん第2章で述べた ような創造意欲の保全、試行錯誤の増加、時間の節約等のコンピュータ導入による利点を生かして、彫塑、工芸、デザインにも応用できます。