4. 実態調査と考察

     7月に3年生64人、4年生74人を対象に、誤りの傾向を調査した。その結果の中から、誤りの多かった問題を下に示す。(ただし、3年生については、わり算(2)までの学習をした段階であった。よって、この段階では、筆算の問題についての実態調査の意味が薄いと考え、3の(3)までの調査を行った。イカ、誤答例として挙げるのは、4年生の実態調査から述べるものとする。)
    <考察>

     誤答を分析してみると、次のような原因が考えられる。

    1. 何の位に商をたてるのかわからない。


     被除数のそれぞれの位の上にたてた部分商が、どんな大きさを表しているのかを十分に理解していないための誤りである。いずれも、具体的な操作から、筆算の仕方を抽象化する過程でのつまずきとみられる。従って、一つ一つの部分的な計算は、どのような操作を意味するか、十分理解させる必要がある。


    2. 正しい商がたてられない。


     商のたつ位置がわかっても、正しい部分商がたてられない場合がある。それは、被除数のかけ算九九で求めればよいことがわからなかったり、部分商の見当がういまくたたなかったりするためである。


    3. 除数>あまりの確かめの習慣が身についていない。
    4. かけ算九九が正確におぼえらえていない。(0に関する九九も正確に覚える。a×0 、0×a、0×0)特に、4と7の段の九九の誤りが多かった。


    5. 計算過程で、減法やおろす場所のあやまりが見られた。


    6. 文章問題で多く見られた誤りの原因は、

    • 除法が用いられる場であることがわからない。

    • 正しく立式できても、答えが求められない。

    • 先に単位変換をしなければならないのに、それを忘れたり、それができなかったりするためである。